撮影ガイド

真珠の撮り方

ジュエリーのライティングの定石が、はっきり逆効果になる唯一の素材が真珠です。真珠は表面だけの素材ではなく、表面と、その下で起きていることの両方でできていて、いつもの組み方はそのうちの一方を消してしまうからです。

二つの像と、その間にあるもの

磨かれた地金のリングに光を当てると、表面から反射が返ってきます。やり取りはそれで全部で、このサイトのリングの撮り方が、地金に何が見えているかに紙幅を割いているのはそのためです。真珠はもう一つ別のことをします。光の一部が外側の層に少しだけ入り込んで散乱し、柔らかく広がって出てきます。

ですから写真の中の真珠は、二つの像が重なったものです。光源の小さく硬い反射と、表面のわずかに下にあるように見える、広く穏やかな光です。どちらか一方だけでは真珠には見えません。硬い反射だけならガラスの玉で、柔らかい光だけなら白い粉の塊です。

てりは、その二つの関係の中にあります。だから後処理では足せず、光を増やしても直りません。てりはコントラストであり、そのコントラストの両側が、露出でもライティングでも損なわれずに残っている必要があります。

定番の組み方が、それを消してしまう理由

ジュエリー撮影のほとんどの場面で通用する助言は、大きく柔らかい光源を一つ、近くに置くことです。リングには正しく、大きな光源は曲面の地金に滑らかなグラデーションを作ります。ここではそれが誤った道具になります。理由ははっきりしています。真珠は小さな凸面の鏡なので、光源をならして平均するのではなく、光源がどう終わっているかも含めてその縮図を映すからです。

大きなソフトボックスは輪郭がなだらかなので、映る縮図の輪郭もなだらかになります。表面の反射は境目を失って下の柔らかな光ににじみ、てりを作っていた二つの像が一つに潰れます。真珠は白っぽくなり、反射的に取りたくなる対処、つまり光を足す、もっと柔らかくするという対処は、繰り返すほど事態を悪くします。

解決は直感に反しますが単純です。光源に輪郭を与えてください。小さめのパネルを離して置くか、大きなパネルの横に黒い遮光板を立てると、どこかで終わる反射ができます。その境目こそ内側の光が引き立つ相手であり、要点はそれだけです。

シャッターを切る前に

真珠に特有の5項目です。ジュエリー全般の確認はリングの撮り方にあります。

  • 光源の輪郭がなだらかではなく、はっきり終わっている。
  • 真珠のいちばん明るい点が白飛びせず、階調を保っている。
  • 内側の柔らかな光が、表面の反射とは別のものとして見えている。
  • 連ねた真珠では、反射が同じ位置に繰り返されず、真珠に沿って移動している。
  • 作品は柔らかい乾いた布で拭いただけで、薬剤は使っていない。

よくある質問

真珠がプラスチックに見えるのはなぜですか?

光源の輪郭が柔らかすぎる可能性が高いです。真珠は小さな凸面の鏡で、光源の輪郭まで含めた縮図を映します。輪郭がなだらかな光源は境目のない反射しか作らず、てりとはまさに、その境目と下から戻る柔らかな光とのコントラストのことです。

真珠にソフトボックスを使ってもよいですか?

いつもの使い方ではおすすめしません。全体としては柔らかい光のままでよいのですが、光源には輪郭を与えてください。小さめのパネルを少し離して置くか、大きなパネルの横に遮光板を立てます。柔らかさは作品のほかの部分に効きますが、真珠に必要なのは輪郭です。

てりは編集で足せますか?

足せません。てりは二つのものの間のコントラストで、その両方が撮影の時点で写っている必要があります。輪郭の鋭い表面の反射と、その下から戻る柔らかな光です。どちらかが露出の時点で失われていれば、強めるものが残っていません。

撮影の前に真珠を清掃しても大丈夫ですか?

柔らかい乾いた布か、ごく軽く湿らせた布だけなら大丈夫です。外側の層は柔らかく、溶剤、超音波洗浄機、熱に弱い性質があります。一般的な準備の助言が商品を傷めうる、唯一の素材です。