ガイド

リングの撮り方

うまくいかないリング写真の原因は、ほとんどが4つのどれかです。アングルが違う、光が違う、被写界深度が足りない、誰も気づかなかった映り込みがある。ここでは、その4つを効く順番に片づけていきます。

光よりも先に、映り込みから始める

リングの撮り方の助言は、たいていライティングから始まります。ほかのたいていの被写体なら、それは妥当な出発点です。ただし磨かれたリングでは二番目の手順になります。鏡には照らされた見え方というものがほとんどなく、周りにあるものをそのまま見せるからです。マットな陶器のマグカップに光を当てれば、マグカップが照らされます。同じ光を結婚指輪に当てれば、写るのは光そのものです。

これで作業の組み立てが変わります。「光をどこに置くか」ではなく「地金に何を映したいか」を問うことになります。答えはたいてい、余計なものが何も入っていない、大きく均一で明るい面です。撮影ボックスや大きなディフューザーが効くのはこのためで、裸電球ではうまくいかないのも同じ理由です。

同じ照明を置いた二つの机で、同じリングがまったく違って見える理由もここにあります。一方の机ではカメラの後ろに窓があり、もう一方には本棚があります。どちらも写真に写っています。

曲面の地金に何が見えているか

最初にすべきことが光を変えることではなく映り込みを見ることである理由が、ここにあります。

曲面の輪の断面図。映り込む周囲の広い円錐と、その下に置かれたカメラを示しています。123
  1. 輪は曲面である

    平らな面が映すのは狭い一つの角度だけです。曲面はとても広い角度を小さな面積に圧縮するため、幅が数mmしかない輪でも、部屋のほとんどを一度に映せます。

  2. 映るのは光ではなく部屋

    地金に見えているのは周囲です。天井、窓、自分のシャツ、三脚。照明を動かしても変わるのはその一部だけで、ライティングを変えても悪い映り込みが直らないことが多いのはこのためです。

  3. カメラも映り込んでいる

    近距離では、カメラとそれを構えている人も映り込みの範囲に入ります。磨かれた輪を横切る暗い塊は、たいてい撮影者です。光をいくら足しても消えません。

うまくいく順番

それぞれの手順が次の手順を縛るため、個々の設定よりも順番のほうが効きます。

  1. 1・アングル

    カメラをリングと目線の高さに近づけます。こうすると丸い輪が丸いまま写ります。光に触れる前にこれを決めてください。つぶれて楕円になった輪は、どんなライティングでも直せません。

  2. 2・大きく柔らかい光を一つ

    大きな光源を一つ、作品の近くに置くと、曲面の地金に滑らかなグラデーションができます。小さな光源をいくつも使うと、競い合う強い反射がいくつもでき、表面が読み取れなくなります。

  3. 3・映り込みを選ぶ

    地金を明るく見せたい側には無地の白い紙を、輪郭を見せたい側には無地の黒い紙を置きます。すっきりしたリング写真とごちゃついた写真を分けるのは、この手順です。

  4. 4・被写界深度

    作品の手前と奥がどちらも十分に鮮明になるまで絞りを絞り、回折で鮮明さが戻ってしまう手前で止めます。ピントを一面にしか置けないなら、宝石を選びます。

シャッターを切る前に

ここでの2分が、どうやっても完全には成功しない1時間の編集を省きます。

  • 作品が清潔で、そのあと素手で触れていない。
  • カメラがリングの上ではなく、目線の高さに近い位置にある。
  • 働いている光源は一つだけである。
  • 柄のあるもの、色のあるもの、明るいものが、映り込む距離にない。
  • ホワイトバランスが、実際に使っている光に合わせて手動で設定されている。
  • 背景が無地で、光が回り込まない程度に離れている。
  • 角度を少し変えた2枚目も撮ってある。最良のアングルが1枚目になることはまれである。

宝石を生き生きと見せる

ファセットのある宝石は、光を発するのではなく返します。撮影の要点はすべてここから決まります。

輝きには、返すものが必要です
ダイヤモンドの白い閃光は、光源の反射です。柔らかく均一な光しかなく、返すべき明るいものが何もなければ、どれだけ露出が合っていても宝石は灰色に見えます。
きらめきを作るのはコントラストです
ファセットがファセットとして見えるのは、明るい面と暗い面があるからです。周囲が完全に均一だとそのコントラストが消えます。スタジオの撮影者があえて黒を戻すのは、このためです。
透明な宝石は、その向こうにあるものを見せます
透明な石の下や後ろにあるものは、石を通して見えます。その面は、意図していてもいなくても写真の一部です。
色が信用されるには、ニュートラルな光が要ります
サファイア、エメラルド、ルビーは、暖色の家庭用電球の下ではっきり色が変わります。ホワイトバランスを光源に合わせて固定することが、正確な色とだいたい合っている色との差になります。

よくある質問

マクロレンズは必要ですか?

最初は必要ありません。アングル、柔らかい単一の光源、映り込みを整えるほうが、レンズを替えて照明の悪い写真を撮るより、スマートフォンの写真を大きく改善します。マクロレンズが必要になるのは、細部の描写が本当に限界になったときです。

白い背景が灰色に写るのはなぜですか?

カメラが既定で中間の灰色に合わせて露出を決めるため、画面のほとんどが白いと暗いほうへ引き下げられます。地金のハイライトが白飛びしない範囲で、背景が白く写るまで露出を上げてください。

映り込みはすべて消すべきですか?

いいえ。地金が磨かれていることを見る人に伝えているのは、残っている映り込みです。窓、照明、自分のスマートフォンのような気の散るものだけを消し、表面を説明している映り込みは残してください。

リングのサイズはどう示せばよいですか?

文章で書いてください。手元に着用させると全体との比率は伝わり、購入者が本当に知りたいのはたいていそこですが、寸法そのものは写真では伝わりません。サイズは商品ページの文章に書いてください。

いちばん多い失敗は何ですか?

真上から撮ることです。輪がつぶれて楕円になり、同時にカメラと撮影者が映り込みに入ります。